「還暦からの底力」・・古希を過ぎた団塊世代も元気を貰った

著者・出口治明氏と同年代の団塊世代の人間として、本書の「還暦からの底力」を発揮できたのか?を検証して見たくなり読んでみた。

成功者としての秘訣が書かれていると思いきやそうではなかった。著者も「60歳になったのだからこれをやりなさい」といった類の話は一つも述べていないと断っている。

では何が還暦からの底力に書かれているか、興味がそそられる。



私の場合、還暦から古希に向かう時代に劇的に変化した。

著者の出口治明氏の成功者とは違い、平凡なサラリーマンで、還暦の年に定年を迎えた。
会社に残る事もできたが、ITベンチャー企業の常勤監査役の話があり、転職した。

翌年には、在職中から企画していたインターネットを使った「胡蝶蘭の産地直送のビジネスモデル」を主眼とした会社を起業し、

それを支えるSNSとの出会いがあり、毎日がワクワクした時代でした。

この選択は正しかったのでしょうか・・・

著書には、「成功者としての秘訣ではない内容」とは、何がかかれているのでしょうか。

「還暦からの底力」を発揮する2つのポイント

1)「もう年だから」と年齢を隠れ蓑にブレーキをかけることはやめましょう!

還暦からの底力を発揮するうえで重要なポイントは、色眼鏡(その人の価値観や人生観)をできるだけ外して、フラットに周囲の物事を見ることです。「数字・ファクト・ロジック」でエピソードではなくエビデンス(証拠)で世界をみることです。そうすれば根拠のない不安で心配することはなくなりますし、根拠が明らかな問題は、原因が明確なので打つべき手を打てるようになります。(出口治明)

 

①ものごとをできるだけフラットに、「数字・ファクト・ロジック」で捉え②「年齢フリー」で考えること

 

2)健康寿命を伸ばすこと
長生きをしても寝たきり生活では嬉しくはありません。

以上の「還暦からの底力」を発揮する二つのポイントの具体策を見ていこう。

サラリーマンの方々が、「定年」近くになると今後の自分の身の振り方、会社に残るのが良いか、起業した方が良いか等不安が募ります。

何歳まで働くかを考えても意味がない。(発想の転換)

”そもそも働くということは、昔なにをやっていたのか、何ができたのかは関係なく、現在の能力と意欲、体力に応じてそれにふさわしい仕事をするのが常識です。”

定年後の仕事探しでは、過去の経歴・肩書にしがみつくのではなく、現在の出来る能力と意欲、体力を鑑みて選択することが重要である。

人生100年時代を楽しむためには、健康であること

60歳は人生の折り返し地点に過ぎません。定年後の人生を楽しむためには、健康であることが大前提だという。

”大事なことは、平均寿命より健康寿命で、医者は口を揃えて「健康寿命を延ばすには働くことが一番いい」と言っています。

なぜ働くことが一番いいのか。それは規則的な生活をもたらしかつ頭と身体使い続けるからです。”

健康寿命と平均寿命の差は、男性で9年、女性で12年、働くことで、健康寿命を延ばし、その差を縮めることが重要です。

定年を廃止すれば、健康寿命を延ばせる

著者は、「定年を廃止せよ」と主張している。その理由は、働くことによって「健康寿命」を伸ばしたいからという。

健康であってはじめて、好きなことに好きなように取り組めるという。

つまり、人生100年時代は、働いたほうが楽しめるが大前提だというロジックです。

日本にGAFAやユニコーンが生まれない本当の原因

著者は、経団連を例として説明されてます。経団連の組織が「超同質集団」という特徴を持っている。

①全員が男性で女性はゼロ人
②全員日本人で外国人はゼロ人
③一番わかい副会長で62歳。50代以下はいない
④起業家もプロ経営者もいない
(日本経済新聞電子版2018年6月21日「経団連、この恐るべき同質集団」より)

 

この様な「超同質集団」が経済の司令塔では、GAFAやユニコーンは生まれません。

 

世界の標準は、世界中から多様な人々を集め、

「女性・ダイバーシティ・高学歴・ラグビーのOne Team」の企業組織に移行しているのです。

 

日本は、社会全体が「製造業の工場モデル(高度成長時代の成功体験)」を未だに引きずって

国際競争力を失っています。還暦前後の世代は、いち早く脱却し世界標準に適合する必要がある。

世界のトップ企業たるGAFAやユニコーンでは、自分の頭で考え、新しいアイデアを創造することが大切な「頭を使う仕事」が中心です。世界はとっくの昔にパラダイムシフトしているのに、日本だけが製造業の工場モデルに固執し続ければ、競争力を失い世界に置いていかれるのは当然です。”(著書)

 

以上のように世の中は大きく変化しているので、

個人としての過去の経験の蓄積に頼らず、新しい物事にチャレンジいくことが大切である。
すなわち「人・本・旅」による自己投資が非常に重要です。

 

「自己投資」で自分にできることを増やす

何に自己投資すべきかといえば、基本的には何でも好きなことを
継続的にすればよい。


「物事の見方」が重要だ
自己投資でどんな分野を学習するにせよ、基本的な物事の味方が重要だ。

 

”人間の考え方は、「人・本・旅」の累計が形作ります。いろいろな人に合って話を聞く。いろいろな本を読む。いろいろな場所へ行って刺激を受ける。そうやってインプットした個々のの知識を、「タテヨコ算数」で整理して、全体像をつかんでいくことが大切です。
「タテ」とは時間軸、歴史軸のこと。「ヨコ」は空間軸。世界軸。算数はデーターでものごとをとらえる、ということです。数字、ファクト、ロジックと言い換えることもできます。”

還暦からの底力を発揮するためには、継続的な学びが必要

AIIoTという言葉に象徴されるように、社会はものすごいスピードで変化しています。

常に「人・本・旅」で学び続けることが必須です。

 迷ったらやる。迷ったら買う。迷ったら行く

最後に、還暦前後の方々は、思い立ったら行動することが大切です。

”社会の変化するスピードが早くなったのだから、それに追いつくためにも仕事一辺倒の「飯・風呂・寝る」生活から脱却し、勉強しなければならない。勉強するのは子供や学生だけでなく、大人になっても一生学び続けなければいけない。(著書)”

まとめ(古希のおじさんへの検証)
私自身の定年後の時代は、自分の好きなことで起業し、新しいSNSの世界にはチャレンジし、SNS講師まで仰せつかった。好きなことに打ち込めることができた点は幸いである。

健康寿命をこれからも延ばすため、仕事を続け、新しいことに挑戦しようと考えてます。

還暦からの底力(出口治明著:講談社現代新書)

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