新境地・截金師(きりかねし)長谷川智彩の世界・・故郷での個展、次は世界へ

銀座での個展から4年、この度は故郷
で個展をさせていただける運びとなり
ました。緊張してます。・・・
截金師・長谷川智彩さんから招待状が
届いた。感動した思いが頭を過った。
早速、NHK BSプレミアム「極上の美の饗宴」
ボストンの日本美術超傑作を思い出した。

「平安仏画 驚異のきらめきの秘密」を
じっくりみた。
(是非その技法をご覧下さい)


写真中央:「馬頭観音像」
平安時代の仏画(ボストン美術館の現物をNHK
依頼により截金の技術で再現)

あらためて、截金(きりかね)の歴史
や平安時代の女性の平和への祈りの
結晶だと感じた。

截金(きりかね)とは飛鳥時代、仏教
伝来とともに、中国からもたらされた
仏像・仏画の彩色技法の一つ。


純金箔、プラチナ箔を何枚も焼き合わせ
て、鹿皮の盤の上で竹刀を用いて毛髪

ほどの極細に切り、金線をつくる。

左手の筆先に金線を巻取り、右手の筆で
糊を付け、彩色した神仏に貼り付け輪郭
や模様を描いてゆく・・・
動画をご覧ください。

この祈るような
気の遠くなるほど手間のかかる細かな
作業は、手先の器用な日本人のDNAと
共鳴したのでしょう・・


古く仏教美術と共に伝来したが、
大陸では受け継がれることはありませ
んでした。
(智彩さんの挨拶文を引用)

截金師・長谷川智彩さんは、日本の
仏像・仏画彩色の最高峰の匠の一人

招待状を片手に故郷京都での個展会場
に胸を躍らせて向かった。

今回の個展の目玉は
「千手観音菩薩」(せんじゅかんのんぼさつ)
会場の一番奥に掲げられ、長谷川智彩
さんが笑顔と共に迎えてくれた。

「千手観音菩薩」(製作中)(せんじゅかんのんぼさつ)

「千手千眼」の名は、千本の手のそれぞれの掌に
一眼をもつとされることから来ている。
千本の手は、どのような衆生をも漏らさず救済
しようとする、観音の慈悲と力の広大さを表し
ている。
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私は、 「千手観音菩薩」(製作中)の
前に立ち竦み、截金の繊細な技法に


感動すると共に、観音様の背後の
瑠璃色の光に引き込まれていた。

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実は、私の大好きな色なんです。

瑠璃色に輝くラピスラズリの美しい彩色、
赤にしなかった 理由を淡々と截金師
長谷川智彩さんは語った。

あの優しく穏やかな表情で、にこやかに
お客様をお迎えする 姿の何処に秘めたる
エネルギーがあるのだろうか・・・

この作品も製作中、数年間に渡り毎日、
息を止めることを躊躇う截金を施す世界。

そこには、計り知れない「匠」の魂を
感じてしまいました。

仏眼曼荼羅:4年前の銀座の個展では未完成が
完成してお披露目。

入り口の右手には、母校の京都市大宮
小学校百周年記念に寄贈した「天女」
一対があった。

(2018年10月、京都市篤志者として表彰)

この「天女」の作品の前には、師匠であり
日本を代表する大仏師の松本明慶様からの
贈答胡蝶蘭が作品に花を添えてました。

その他にも截金師の匠の作品が40点あまりあった。



7角形の桐箱に装飾された作品も見事であった。


(金剛界曼荼羅の凄さに驚愕)
中央の白い帯の部分を拡大して写真を撮ってみた。

白い帯状の中に、縦に7人、横に5人が
合掌してます。截金の醍醐味を味わった
瞬間でした。

虫眼鏡で、拡大しなければ截金
(きりかね)で施した細工が見えません。

4年前の銀座での個展を超えた匠の
凄さが伝わって来ました。

中国美術と共に伝来した截金は、日本だけ
しか受け継がれてません。

今後、世界にこの素晴らしさを伝へ
技術の伝承に期待しております。

普段、触れる機会の少ない截金の世界
に、しばし浸ることができ、大満足で
小松屋ギャラリーを後にした。

現代の巨匠、絵仏師であり截金師の
「長谷川智彩」さんは、次回は海外へ
向けた個展が始まった表情が垣間見れた。

(「千手観音菩薩」(製作中)の前にて)
ギャラリーの外は、紅葉の季節で京都の
名所は賑わっていた。

ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

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4年前の長谷川智彩東京での個展です。

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