桜の季節が過ぎ、初夏の気配が少しずつ漂いはじめた頃のことでした。
茶室の床の間には、一輪の花が静かに活けられていました。掛けられていた

お軸「花開蝶自来」「花開けば蝶自ずときたる」
お軸には、「花開蝶自来」の文字。
お稽古の席で、先生から「今日のお花は何でしょう」と尋ねられました。
以前の私であれば、まず花の名前を答えようとしたかもしれません。しかし、茶道のお稽古を重ねるうちに、花の名を知ること以上に、その花がその空間に「在ること」の意味を感じ取ることが大切なのだと、少しずつわかるようになってきました。
禅語に「花開蝶自来」という言葉があります。
花が美しく咲けば、蝶は呼ばずとも自然にやってくる。
人もまた同じで、徳を磨き、誠実に生きていれば、よき縁は自然と結ばれていく。そんな意味が込められています。
茶道入門してビジネススタンスがかわった!
私が胡蝶蘭の仕事を始めて、15年が経ちました。
振り返れば、最初の頃は「いかに売るか」を考えていた時期もありました。
どうすれば選ばれるのか、どうすれば価値を伝えられるのか。
商いとして当然の問いではありますが、茶道に入門し、花と向き合う時間が増えるにつれて、私の中で少しずつ考え方が変わっていきました。
「品格のある胡蝶蘭」は、多くを語らずとも伝わります。

品格ある胡蝶蘭(国分寺洋蘭園)
産地の生産者が丹精込めて育てた胡蝶蘭は、届けられた瞬間に、その場の空気をふっと変えます。
受け取った方が思わず「あ!」と声を上げる。
その一瞬に立ち会えることが、私にとって何よりの仕事の喜びです。
後日、お礼の言葉がメールで届くと、その喜びはさらに深く心に残ります。

AI時代AI時代に「もの」の力
AIの時代となり、情報があふれ、言葉がいくらでも生み出される今だからこそ、「言葉」ではなく「もの」そのものの力が、より問われているように感じます。
花は正直です。
育てた人の心が、その姿に宿ります。
手を抜けば、どこかに表れる。愛情を注げば、花は静かにそれに応えてくれる。「品格ある胡蝶蘭」の所以です。
「花開蝶自来」・・・
今日も産地の生産者たちは、夏日のハウスの中で、汗を流しながら、愛情を込めて静かに花を育てています。誰かを驚かせ、誰かの心を明るくし、誰かと誰かの縁を結ぶために。
花が美しく開けば、蝶は自ずとやってくる。
胡蝶蘭の仕事を通して、私はその言葉の意味を、日々あらためて教えられているのです。
胡蝶蘭のソーリ・宗茂 吉田茂
ご相談・ご注文お問合せ⇒
https://sori-yoshida.com/
宗茂












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