「あなたにとって人生の成功とは何か?」
習慣となった早朝の瞑想。その静かな時間の後に読書をすることが、私にとって何より豊かひとときになっている。
先日、再読していた本の中で、ふと「立ち止まる問い」に出会った。簡単な問いのようでいて、私は即答することができなかった。
その問いに示唆を与えてくれたのが、哲学者ニーチェの「永劫回帰」の思想である。
もし人生の終わりに、
「おまえは、この人生をもう一度まったく同じように生きることができるか」
と問われたなら、私は迷わず「然り」と答えられるだろうか。
ニーチェの思想は、人生の一瞬一瞬に真剣に向き合う覚悟を私たちに求めているように思える。
振り返れば、若い頃の私は競争に勝つことや、豊かな生活を手に入れること、大きな目標を達成することを人生の成功だと思っていた。
しかし現実には、敗北も挫折も数多く経験してきた。
私の価値観の変化
人生の後半になり、趣味として始めた茶の湯との出会いが、私の価値観を少しずつ変えていった。
茶道を通じて多くのご縁がつながり、禅や工藝、東洋哲学へと興味が広がっていった。そして何より、「内なる心と対話すること」の大切さに気づかされた。
自分にとって本当に大切なものは何か。
何が真実なのか。
その問いを持ち続けることで、少しずつ成長していく自分に喜びを感じるようになった。
それは他人との競争に勝つことでも、華やかな成功を手に入れることでもない。
「今日という一日を生き切ること」
思い残すことなく、その日を終えること。
その積み重ねこそが、人生を豊かにしていくのではないかと思う。

「人生において『成功』は約束されていない。しかし、『成長』は約束されている」
と田坂広志氏は語っている。
この言葉に、私は深く励まされる。
もしかすると人生の成功とは、人生の終わりに振り返ったとき、
「この道を、もう一度歩いてみたい」
と静かに思える境地にたどり着くことなのかもしれない。
凡人である私は、今もなお道半ばである。
それでも、内なる心と対話する心の旅を続けていきたい。
今朝もまた、瞑想の後の読書が、小さな気づきを私に与えてくれた。
禅語「一日一生」のように、
今日という一日を生き切ることが、人生そのものを生き切ることにつながるのだろう。
宗茂より
(表千家お家元より宗名を拝受して、「宗茂」として日々研鑽している)













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