九州大分の佐伯鶴城高校の同窓会の案内が届き、6年振りに
参加することにした。
後輩で今年の「芥川賞」を受賞した小野正嗣さんの祝賀会も
兼ねていた。小説家としての真髄が何であったかを
知りたかった。
関東在住者での同窓会、なんと通常予定していた
人数の倍近く、160名が集まった。
私も参加した全員が、母校の後輩が成し遂げた偉業、
芥川賞を受賞した人物にお会いしたかったのです。
参加者は、どんな人物なのか、どのような青春時代
だったのか、自分が育った郷里を思い浮かべて
いたに違いない。
高校がある佐伯市は、大分県の南に位置し、リアス式海岸で、
多数の小さい入江があり、農水産物に恵まれた城下町です。
今回の芥川賞受賞作「九年前の祈り」の舞台は、
佐伯市の最南端の蒲江、小野正嗣さんの郷里
で展開される。
その描かれている風景は、私が過ごした高校時代
での初恋の想い出や勉学に疲れたときに、
癒してくれた海岸や浦の情景が目に浮かんで
重なり合います。
![futami1_s](https://i0.wp.com/sori-yoshida.com/wp-content/uploads/2015/04/futami1_s.jpg?resize=348%2C261&ssl=1)
小野正嗣さんの受賞挨拶に驚きました。
「ネットの時代だからこそ、リアルでの出会いの大切さ」
を受賞後の実話で話をされました。
今回の高校同窓会の依頼を事務局から電話で受けた。
自分も大学の授業等で忙しいので、メールでのやりとり
でかまわないと済まそうとした。
事務局のしつこいまでの「リアル」にご挨拶をしたい
との申し出に応じた。
その後、彼自身の環境に大きな変化が数多く起こった。
先輩との交友関係、特にキャノンの会長兼社長の御手洗
さんとは同郷で、偶然の出会いで意気投合。
そして小野さんのお兄さん(昨年10月に亡くなりました)
の最後まで親切に病院で看護して頂いた先生が
高校の同窓会会長であったと、今回初めて知った
そうです。
最愛のお兄様の最後まで看取ってくれたことに
本当に感謝したそうです。
事務局とのリアルな出会いから広がった絆や
取り巻く人脈の連鎖が、最後には、
最愛の亡きお兄様の主治医が大先輩であった
と知りえた事実に、感動したそうです。
スマホ全盛の時代だからこそ、リアルにお会いして
交流を深めていくことの重要性を説いたお話でした。
素直に納得で、首を縦に振ってた自分がいました。
最後に、今回の受賞作「九年前の祈り」のテーマでもある
彼の言葉で言う「血縁と地縁が濃い土地」に
妙に惹かれてしまいます。
(P381掲載文を参照)
———-
「血縁と地縁が非常に濃いので、ひょっとすると、
そこにすみ続けている人やよそから来る人にとっては
ときに息苦しいこともあるかもしれない。
だけど、僕にとってはある種独特の、大切な場所です。」
———
この文章に自分自身の心の一部を垣間見た感じがしました。
定年後に参加した高校同窓会は、新たな自分の発見でした。
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