映画も小説も2度楽しめた!・・「蜜蜂と遠雷」スマートスピーカーでも楽しめた!

この映画は2017年の直木賞・
本屋大賞をダブル受賞した恩田陸さん
の同名小説を映画化した一作です。

まだ読んでなかったのですが、
画画「蜜蜂と遠雷」の主演を演じる
松岡茉優、と松坂桃李に惹かれて観て
きた。

映画鑑賞というより、生の協奏曲を
演奏会で聴いたようで、それだけで大満足でした。

が、小説でこの音楽をどのように表現
しているかが知りたくなり、小説
「蜜蜂と遠雷」を購入した。

なんと、この小説「蜜蜂と遠雷」は、
現場取材を10年にわたり、連載は
7年間続いた。

3年毎に開催される浜松コンクールに
4回も足を運びじっくりと音楽を
ひたすらに聴き入った。

そこから得たものは、じっくりと音楽
を聴くこと「能動的に音楽を聴く」
ことが少なくなっていると作者は述べてます。


(幼少期のコンサート前列中央が私です)

私は、幼少時にバイオリンを少し習
った経験があるだけで、音楽はBGM
として聴き流している。

特にクラシック音楽とは縁が無く、
年に1、2回コンサートに行く程度です。

情報が氾濫してる現在では、アートや音楽の分野でさえ「オススメ・まとめサイト」で分かったと自己満足してしまう傾向があります。

こんな時代だからこそ、あらゆる芸術
や音楽にも「能動的に向き合うこと」
の重要性を作者は訴えかけてます。

 

恩田陸さんは、インタビューにこう答えています。

「みなさん、たぶん、小説の中で「音を聴いてくださった」のだと思います。
そこはちょっと新鮮な体験をして提供できたのかもしれません。
専門用語を使わないで書くことは意識していました。
クラシックにあまり興味のない人にも伝わるように。
ただ、それ以外は毎回必死に書いて、ベストを尽くしていただけです。
やれることは全部やった、という感じでした。

 

確かに小説は非常に読み易く、長編にもかかわらずのめり込んでしまいました。

あらすじ
ピアノの天才たちが集う芳ヶ江国際
ピアノコンクールの予選会が開催さ
れることとなった。

第6回となるこのコンクールは、
前回の優勝者がその後スターダム
を駆け上がっていったことで、注目されていた。

自宅に楽器を持たない少年・風間塵(かざまじん)16歳。
養蜂家の息子で、正規の音楽教育を受けておらず、今は亡き著名なピアニスト、ホフマン氏の唯一の弟子。

かつて天才少女としてデビューしな
がら突然の母の死以来弾けなくなった
栄伝亜夜(エイデンアヤ)20歳。

楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。
完璧な技術と音楽性優勝候補マサル19歳。

天才たちによる、ライバル同志の戦い
の中亜夜はかつての自分の音楽と向き
合うことになる。
最後に勝つのは誰か・・・

 

作者恩田陸さんが「映画化は無謀と思ってました」と言っているように、映像化の不可能を可能にしたのは、
監督石川慶の手腕とキャストによるところが大きい。

私もキャストに惹かれて映画を見てきた一人です。

キャスト

  • 栄伝亜夜:松岡茉優
  • 高島明石:松坂桃李
  • マサル・カルロス・レヴィ・アナトール:森崎ウィン
  • 風間塵:鈴鹿央士

映画では印象に残ったいくつかの場面があります。

・亜夜と黒い馬
映画冒頭の黒い馬のシーン1は強烈な印象があり意味がわからなかった。小説で確かめてみた。

 

不意に、遠い昔のことを思い出した。
まだピアノを弾き始めたばかりの頃。
窓辺でじっと雨音を聴いていた時のこと。
トタン屋根におちる雨が不思議なリズムを刻み、初めて「雨の馬が走っている」
と気が付いた時、はっきりと、点を駆ける馬のギャロップが聞こえてきた瞬間。

亜夜は、目の前に雨の匂いを嗅ぎ、当時の小さな自分の中にすっぽり入りこんでしまったような気がした。

世界が自分の知らない秘密の法則で出来ていると気付いた瞬間、
窓の外の高く遠いところに感じた畏れ。

亜夜は目を閉じた。ああ、本当に世界は音楽に満ちている。
「蜜蜂と遠雷」(下巻290〜291P引用)

この光景は、天才少女だった亜夜が、
母親の死をきっかけに表舞台から消えた。

それは、母の死の後のショックが
トラウマになり、ピアノが弾けなく
なったという噂のレッテルを拭い去る
ことが出来なかった。

その心の葛藤に光を注いだのが、ピアノの巨匠
ホフマン先生の弟子、風間塵!

 

映画で印象的な次のシーン2
二人の姿には本当に痺れてしまいました。
月の光

「僕ね。先生に言われたんだ。一緒に音を外に連れ出してくれる人を探しなさいって」
蜜蜂と遠雷」(下巻25P引用)

ドビュッシーの月の光の連弾、フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンへ
さらにベートーベンの「月光」、最後には、ハウ・ハイ・ザ・ムーン・・・

 

このシーンは、小説も映画も共によく
描かれており
強烈な印象が、残像と
して今も息づいてます。

映画を見てから原作の「蜜蜂と遠雷」
を読みましたので、小説のスケールの
大きさ、奥深さを改めて感じました。

実は小説を読み終わって、このシーン
は映画ではどうだったかと確認した
くて2度観ることになった。

映画と小説を読み較べると違いがある
ことに気付きます。長編小説を2時間
の映画にするには限度があります。

 

・映画「蜜蜂と遠雷」は「2時間の協奏曲」

栄伝亜夜を演じたのは、松岡茉優さん。素敵で大好きな女優さんです。
映画の最後のクライマックシーン、(小説には無い)ピアノとオーケストラが奏でる亜夜」のプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番です。

クラッシックファンで無くてもあのダイナミックな演奏に興奮し感動しました。

亜夜が自然な姿に戻って安堵し、
じっくりと聴き惚れてしまいました。

・スマートスピーカーと小説を同時に楽しめた!
2年前に購入したスマートスピーカーが、私の日常生活を
楽しませてくれてます。

2度目の小説を読み返しているとき、特に亜夜が奏でる
プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番聴きたくなった。

スマートスピーカーに
「プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番を聴きたい?」
と問いかけた。

何と!・・TVが反応してYouTubeの画像が再生され
プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番が流れてきた。

小説「蜜蜂と遠雷」の中で表現されているピアノ音楽を
読みながら楽しむことが出来ました。

この事は私にとって大事件、ワクワク
して読み続けこの小説とスマート
スピーカーとの融合を体験したのであった。

 

・コンクールの結果

・高島明石を演じた松坂桃李さん

映画の印象に残るシーン3


明石は、本当の天才の亜夜、マサル、風間塵3人に向かっって

「・・・悔しいけど、俺にもわかんないよ・・・あっち側の世界は」

「生活者の音楽ってなんだろうてずっと考えていた。本当に地に足のついた俺だからできる音楽」と明石は言う。

彼が「菱沼賞」(日本人作曲家演奏賞)を受賞したことに内心ホットすると共に拍手した。

 

・「蜜蜂と遠雷」のタイトル


『先にタイトルがありました。風間塵が野原に立って耳をすましている。まず、それがイメージして浮かびました。風間塵を発想したところでその対抗馬として栄伝亜夜もうまれました。・・』と恩田陸さんは語る。

蜜蜂は風間塵、遠雷はホフマン。

蜜蜂は亜夜に影響を与え彼女を復活、亜夜はマサルに刺激を与え
その結果、蜜蜂役の風間塵がホフマン先生との約束を果たすことになった。

「幸福。幸福だ。世界はこんなにも音楽に溢れている。僕は室内から音楽を連れ出して、共に世界に満ちて行こうとしている。」(蜜蜂と遠雷下巻490P)

小説と映画を2度も楽しませて頂き感謝です。

・まとめ

人生100年時代と言われ、人生の
後半を生き延びるには、

年齢に関係なく自分の感性に正直に
問いかけ、赴くままに行動して見ること。

そこから新たな自分の発見があり、
それを行動に移すことが重要である。

令和の時代はAI等最新テクノロジーが進化します。

そのような環境下ではなおさら、
人間らしい「蜜蜂」になり、
人間同士のコミュニケーションに
勤めて
いこうと再認識しました。

ここまで読んで頂き有り難うございます。

 

 

 

 

 

 

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